目の振動で視力が変わる?

固視微動というものがあるらしい。

眼は常にわずかに振動し続けていて、網膜に映る像を常に動かし、網膜の細胞に刺激を与え続けることで、常絵に目が見えるという状態を作っているらしい。

そのため、健常者の眼を固定して動かなくすると、何も見えなくなってしまうそうだ。

大平原に生きる民族などでは、視力が5.0とかいうような超人的な能力を持っていたりするが、網膜の細胞が物凄く細かいのではなく、この振動の速度が速いことで、高い分解能を実現しているらしい。

逆に、疲れ目の状態になると、振動の速度が遅くなり、これまで見えていたものが見にくくなるという。

これまで水晶体の厚みや眼軸の長さのことばかり聞かされてきたのに、この固視振動が直接普段の見え具合に関わっているとは全く知らずにいた。もっともっと注目されるべき話だと思うし、個々人の健康管理のためにも、振動の速度ももっと広く計測されるべきではないかと思う。

もうひとつ面白いのは、この振動を起こしているのが随意筋だということだ。固視振動は不随意運動だから、専用の不随意筋が担当していても良さそうなものだが、眼の周りの随意筋が随意筋としての働きを務めつつ、動じに不随意運動もしているわけだ。

そうすると、素人考えとしては、随意筋である目の周りの筋肉を、意思ないし無意識に緊張させすぎたりしていると、固視運動にも影響が現れ、見にくくなるということが起こり得るのではなうだろうか。それが疲れ目のときの固視運動の減退を招いていると考えるのは整合的なように思う。

だとすると、逆に無意識の目の緊張をほぐし、眼の震動を高められるようにできれば、メガネのような方法と関係なく、視力を上げることができるのかもしれない。ひょっとするとだけれども。